日本各地に残るハトによる温泉発見の由来や伝説
●鳩ノ湯温泉(群馬県吾あが妻つま郡東吾妻町)
浅間隠(まかくし)温泉郷の一つ。傷ついたハトが岩間から流れ出る湯で傷を癒しているところを村人が目撃し、その傷が癒えたことから、この湯が温泉であることを知り「鳩ノ湯」と名付けた。
寛政5年(1793)に村人が行者と協力して湯小屋を建てたのが始まりで、現在は江戸時代創業の一軒宿「三鳩楼(さんきゅうろう)」のみが営業している。
●鳩の湯温泉(埼玉県秩父市荒川日野)
戦国時代に、熊倉山城主の長尾景春入道と甲斐武田軍との戦いの際、矢で負傷した武田軍の兵士が2羽の白いハトに導かれて見付けた温泉で傷口を洗ったところ、たちまち痛みが去り、傷口が治ったという伝説が残る。
一軒宿の「鳩の湯」の創業は明治初期で、内風呂の温泉の注ぎ口には、温泉名の由来となった2羽の白いハトの像があった。「鳩の湯」は閉館し、近隣に平成26年「ちちぶ温泉 はなのや」がオープンした。