●中宮〈ちゅうぐう〉温泉(石川県白山市中宮)
奈良時代の末期、白山開山の祖として崇められる泰澄(たいちょう)大師が、傷ついた白いハトが山峡の岩陰で憩うのを目撃して温泉を発見したという伝説が残る。
古くは「鳩の湯」「鳩谷の湯」などと呼ばれていた。その後、ここに白山比咩(ひび)神社の中宮があったことから、「中宮温泉」と呼ばれるようになった。
●鳩ヶ湯温泉(福井県大野市上打波〈かみうちなみ〉)
嘉永年間(1848~1854)に傷ついた山バトが水浴びにやって来て、何日か後に傷が癒えたのを目撃した里人が、これが温泉であることを知った。
明治36年創業の「鳩ヶ湯温泉」は、平成25年に一時休業となったが、平成27年に営業を再開した。
※本稿は、『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』(中央新書ラクレ)の一部を再編集したものです。