ドラマでは巴御前の尻にひかれる義盛、といった夫婦のやりとりも人気を博しました(『小倉擬百人一首 光孝天皇』(広重/伊場仙)国立国会図書館デジタルコレクション

小栗旬さん演じる北条義時、大泉洋さん演じる源頼朝ら、権力の座を巡る武士たちの駆け引きが三谷幸喜さんの脚本で巧みに描かれるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(総合、日曜午後8時ほか)。10月30日の放送回では反北条の旗頭となった和田義盛の転落をもくろむ義時に対し、戦を回避するべく源実朝と政子が奔走。三浦義村、八田知家ら有力御家人は、義盛の陣営に集い情勢を見定めていました。そんな中、父・義盛の安否を心配する朝比奈義秀らがついに決起……といった内容が展開しました。

一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第12回は「巴御前」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

圧巻の最期を遂げた義盛

ついに最新回で横田栄司さん演じる和田義盛が討たれましたね。

クライマックスでは、源実朝に説得されて降参を決意するも、義時が矢を放つように命令。無数の矢を浴び、壮絶な最期を遂げました。

放送直後に更新した横田さんの感謝の言葉を記したツイッターには6万を超える“いいね”がついているそうで、視聴者からいかに愛されていたかがうかがえます。

三谷さん、初めはそれなりの扱いで考えていたのに、脚本を書き進めている内に義盛のことがどんどんと好きになり、想定以上に活躍させることになったような気がしてなりません。あくまで、一人の視聴者としての感想ですが。

それだけ、豪快さや勇猛さを持ちながらチャーミングな義盛を体現した演者・横田さんの演技、存在感がすばらしかったのかもしれません。