各地に伝わる巴の伝承

彼女にページを一番割いているのは『源平盛衰記』です。

倶利伽羅峠の戦いにも大将の一人として登場しており、義仲の乳母の子で、樋口二郎、今井四郎とは兄妹。義仲の愛人である、と明記しています。

義仲の死に際して戦場を落ち延びるも、源頼朝から鎌倉へ召され、和田義盛の妻となった。二人の間には英雄・朝比奈三郎が生まれた。

巴御前と朝比奈三郎(『古今名婦伝 巴御前』(豊国、梅素亭/魚栄/豊国錦絵集)国立国会図書館デジタルコレクション

和田合戦の後には、越中国礪波郡福光の石黒氏の元に身を寄せ、出家して主・親・子の菩提を弔う日々を送り、91歳で生涯を終えたという後日談が語られます。この話題については本編直後の「鎌倉殿の13人 紀行」でも触れられていました。

砺波には今でも巴の逸話が語られています。また、三浦半島にも、巴の伝承があります。