100歳になっても元気な人は炎症が少ない

実際、センテナリアン(100歳以上の長寿の方)は慢性炎症が少ないことがわかっています。センテナリアンは慢性炎症の程度がわかる「高感度CRP」の値が圧倒的に低いのです。

CRPは、人間ドックや健康診断の血液検査で調べられる検査項目のひとつ。

この数値が高いと体に炎症が起こっているということです。ただし、通常の健康診断などで調べられるCRPでは、「ボヤ」のような弱い炎症の慢性炎症があるかどうかまでは調べられませんでした。それが最近の技術の進歩によって、わずかな炎症も調べられるようになったのが高感度CRPです。

体に炎症がまったくなければ高感度CRPの値は「0・00mg/dL」になりますが、加齢とともにこの数値は徐々に上昇する傾向にあります。これは、加齢によって老化した細胞が体内に蓄積されると、慢性炎症が起こるためだと考えられています。

ここで面白い研究データを紹介しましょう。

実は、センテナリアンの方たちはCRPが「0・03mg/dL」程度に抑えられていることがわかっています。

一般的に0・3 mg/dL以下が「正常(基準範囲内)」とされる数値なので、0・03という数値は10分の1以下しかなく、相当に低い数値と言えます。

ちなみに、肥満の人は高感度CRPの値が高くなります。肥満になると慢性炎症が起こる証拠ですね。

気になる高感度CRPの数値は、健康診断を行う病院やクリニックで調べてくれます。病気でない場合の検査は保険適用外となり、価格も1万円前後とまちまち。まずは、かかりつけ医に聞いてみるとよいでしょう。