老化の速度に「炎症」がかかわっている…ってご存知でしたか?(写真:Photo AC)
私たちの生活を一変させたコロナウイルス。その変化と同時に、世界中でメンタルの落ち込みやうつ症状を訴える人が増えている、と言うのがみらいクリニックの今井一彰院長です。しかし「小さな炎症が原因で、別の場所の大きな病気が引き起こされる」を持論とする先生によれば「気持ちが落ち込む」「だるい」と訴える患者の多くがどこかに“炎症”を抱えていると話します。さらに老化の速度にも炎症がかかわっているそうで――。

慢性炎症は、老化にも大きく関係している

慢性炎症は、老化にも大きく関係しています。たとえば、見た目年齢を左右する、シワやたるみ、シミ。これも慢性炎症の影響です。

肌に炎症を引き起こす原因のひとつが、紫外線です。強い紫外線に当たると、皮膚が赤くなってヒリヒリすることがありますよね。これは紫外線によって皮膚表面で起こる急性炎症です。そのとき実は、肌の深いところでも弱い炎症が起こっています。

その慢性炎症が、表皮の奥にあるメラノサイトを常に刺激するため、シミの原因になります。さらに、紫外線が表皮の真皮にまで届いて慢性炎症を引き起こすと、真皮には肌のハリや弾力を保つ役割があるコラーゲンやエラスチンという線維状のたんぱく質が壊されてしまいます。すると肌はたるみ、シワが増えることに……。