炎症が足腰の筋肉を弱らせる

一方、老化が気になるのは見た目だけではありません。年齢とともに衰えを感じるのが「足腰」でしょう。

年をとるごとに、階段の上り下りがつらくなったり、歩くスピードが遅くなったりして、筋力の低下を感じるようになりますが、これも慢性炎症が無関係ではありません。

年齢によって徐々に筋肉が減って、身体機能が低下した状態をサルコペニア(筋肉減少症)と言いますが、その原因のひとつが慢性炎症と考えられています。体に慢性炎症が起こってつくられた炎症性物質(サイトカイン)は、筋肉の分解を促進させる作用があるためです。

体のあちこちに慢性炎症が起こっていると、それだけ老化が速く進んでしまいます。病気と診断されなかったとしても、老化のスピードが速ければ、体の機能が急速に低下してしまいます。

いつまでも若々しく、長生きしている人は慢性炎症が抑えられている人(イラスト提供:イラスト AC)

逆に言えば、いつまでも若々しく、長生きしている人は慢性炎症が抑えられている人だということなんですね。