お茶屋でおもてなしの心を知る

京都では、舞妓さんや芸妓さんがおもてなしをするお茶屋さんのある街を
「花街(かがい)」と呼びます。
祇園、先斗町、宮川町、上七軒、祇園東の5つがあり、
これらを「五花街(ごかがい)」と呼びます。
私が行ったのは祇園のお茶屋さんでした。

お茶屋さんには厨房がありません。
料理は料理屋さんから取り寄せるのが基本です。
これも知りませんでした。
そして舞妓さんや芸妓さんもかかえていません。
置屋から舞妓さんと芸妓さんを手配します。

お茶屋のおかみさんは、お客様の好みに合わせ、料理を手配し、
舞妓さんと芸妓さんを呼び、最高のおもてなしを演出します。
お客様の好みを知り尽くしてこそ、最高のおもてなしが出来るのです。

そして、その代金はすべて掛け払いで、
料理や飲み物代、舞妓さん芸妓さんへのお花代、
二次会の清算やタクシーの代金などもすべてお茶屋さんが立て替えます。
なるほど、これは信頼関係がなければ成立しないシステムです。
これが350年以上守り続けられているルールだと聞き、
初めてこの「一見さんお断り」の本当の意味を知りました。
信用を重視し、より良いサービスを提供するおもてなしの心、
奥の深い京都をまた一つ知りました。