圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第34回は「京都の街めぐり」のお話です。
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
気分転換に京都へ
「そうだ、京都いこう」
毎年この時期の恒例行事。
このフレーズが浮かんだら、もう頭の中は京都モードに。
さて、今回はどこに行きましょう。
行きたい場所はいっぱいです。
宝塚にいる時の気分転換は京都へのドライブでした。
運転免許を取得してよかったと思う事は沢山ありました。
台詞を覚えたり、歌を熱唱したり…。
そして時間に関係なく、気分転換にふらっと出かけられる。
そしてそこは自分だけの空間。
なんという自由と贅沢。
華やかな舞台、派手なメイクに衣装、男役、皆様の非日常が、私の日常でした。
そんな日常から離れ、ゆっくりできる場所、
それが京都でした。
稽古で行き詰まった時などは、
運転して京都に行く事で気分転換になりました。
時間がゆっくり流れている感覚を味わうのが好きでした。