時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは大阪府の70代の女性からのお便り。ある日、遠方にいる従姉からの電話を受けると、長年住んでいるマンションでショックな出来事があったそうで――。
昨今のクレームに思う
先頃、遠方にいる従姉から電話があったが、元気がない。なんでも同じマンションに住む女性からクレームを受けたのだという。長年住んでいて初めてのことでショックとのこと。
その内容は、「手入れをしている鉢植えのところに、レジ袋が飛んできて迷惑している」。スマホの写真を証拠品のように見せつけ、「何か対策を」と言って去っていったとか。心当たりがない従姉は、以来、窓を開けずに過ごしているそうで、「まいった、まいった」の連発である。
私の家は戸建てで、車庫にはしょっちゅうレジ袋や空き缶などが転がりこんでくる。風のせいなのか、人間のせいなのかもわからず、仕方なく片づける。さほど頭に来るわけでもない。
コロナ禍の最中、スーパーでレジに並んでいた私。前の人が一歩進んだので私も一歩前に進んだら、その人が振り向いて「距離をおきなさいよ」と大声で怒鳴られ、びっくりしてしまった。
しかしその直後、ほかのレジで、その人が同じように注意されているのを目撃。「そんなに厳しく言わなくても」と反論しているのが聞こえた。人によって考え方や感情の違いがあるから一概には言えないが、昨今は、ちょっとした行き違いでクレームをつけたり、キレたりする人が多くなったようで怖い。
従姉には、今回のことはあまり気にせず、しばらく知らんふりをしていたら、と伝えた。