古代マヤの言葉で聖なる泉を意味するセノーテ(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは東京都の80代の女性からのお便り。新婚旅行から帰ってきた孫娘からの問いに、もちろん知っているよと答えたけれど――。

物知りばあさんでいたい

数年前、新婚旅行から帰ってきた孫娘に「おばあちゃん、カンクンって知ってる?」と聞かれた。「知ってるよ。メキシコのユカタン半島の先っぽ」。そこには古代のチチェン・イッツア遺跡や天然の泉のセノーテもある、と答えると、孫は目を丸くして驚いていた。

かつて誰かの旅行記を読んだときに頭に入れた知識だ。セノーテの底は海につながっているという説もあったから、そこで泳いだという孫娘夫婦に「しょっぱかったか」を聞けばよかった。

後日、いいかげんなことを答えてしまったとなれば恥になると、ふと思って、わざわざ書店へ世界地図帳を買いに行った。ユカタン半島で正解だったのでホッとした。

この初秋で89歳になる私。孫娘がかわいいひ孫を見せにやってきたが、「このばあばは何でも知ってるよ」と言われたくて、今後も欲を出して頑張るつもりだ。さまざまな本を読んで頭に叩き込もう。

この先、何が起きるかわからないが、理想は100歳まで元気に生きること。好奇心旺盛なばあばとして、長寿時代の波に乗っていけたらうれしい。残りの人生を大切にしながら。


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