運命を左右する、劇場とネタの相性

劇場メンバーになってからは、だんだん調子もよくなっていきました。「baseよしもと」がなくなって、劇場が「5upよしもと」になってすぐ、オーディションでいける一番上の「ファーストメンバー」までいったんです。

baseよしもとがなくなって喜んでたのも、たぶん僕ぐらいでしょうね。baseではいいことなんて一度もなかったのに、5upになったら1軍までいけたので。おそらく、劇場との相性だと思います。

baseは200人キャパくらいの狭くて暗い地下の劇場で、シュールな世界観のネタが観やすい雰囲気やったんです。5upは寄席の劇場で、天井も高いしキャパも340人くらいあった。

そこでシュールなことをやっても小さくまとまって見えてしまうので、僕みたいに声に迫力のあるタイプのほうがハマるんです。やってることは変わらないのに、結果がまるで違った。本当に運がよかったと思います。

※本稿は、『僕はどうしても捨てられない。』(発行:ヨシモトブックス、発売:ワニブックス)の一部を再編集したものです。

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僕はどうしても捨てられない。』(著:おいでやす小田/発行:ヨシモトブックス、発売:ワニブックス)

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