余興が舞台上でのお芝居に通じる

かつて、大地真央さんが月組のトップスターだった時代には、
「宝月一座」という宴会芸の一座があったそうです。
「宝屋月之丞一家」という名前だったとか。
このネーミングセンスからして、ただならぬ一座だったことがうかがえます。
月之丞様におひねりを渡したい気分になります。

大地真央さんの時代から(もしくはそれ以前から)続く余興の伝統。
こうした時間があって「芝居の月組」と呼ばれてきたのかは定かではありませんが、
伝統は受け継がねばなりません。

「こういうことにも手を抜かないことが舞台に繋がる」と、
かつて天海祐希さんもおっしゃっていました。
そんな天海さんの余興も忘れられません。
余興が始まった時の衝撃たるや。
もう一公演やったかの如くの迫力。
何より全力でやっているのがわかります。
おちゃらけるわけでもなく、ご本人たちは至って真剣。
でも観客側は大爆笑。
余興でもスターは輝いていました。

タカラジェンヌはこうして余興によって、
どんなにおかしくても舞台上では笑わない鍛錬と、
度胸と、プロ根性を磨いていくのです。
それすらも舞台上でのお芝居に通じるものなのだと、 
下級生の時に大きな刺激を受け、受け継ぎ、受け渡して参りました。