受け継がれる余興の伝統

現月組トップスターの月城かなとさん。
芝居心のあるスターさんです。
前回の公演『グレート・ギャツビー』を観に行かせていただきました。

幕が上がり、オーケストラが音を奏で、ギャツビーの月城さんが登場します。
「私がギャツビーです」
私の前には、この日観劇をご一緒し1列前に座っていた瀬奈じゅんさん。
前ギャツビーの瀬奈じゅんさんの背中越しに観る月城さんのギャツビー。
それはなんとも不思議な、贅沢な光景でした。

『グレート・ギャツビー』を観劇。左から、宇月颯さん、瀬奈じゅんさん、彩乃かなみさん、越乃さん

ギャツビーと言えば、背中で魅せる哀愁です。
月城さん、さすがに背中で語りかけてきます。
そして振り返れば見目麗しい色男。
やられました。
美しすぎる。
すべてが美しく切ないフィッツジェラルドの世界がそこにはありました。

そんな端正な顔立ちの正統派男役の月城さんが、
意外にも余興をやるのが好きだと風の噂に聞きました。
一度もご一緒したことがない月城さんに一気に親近感が湧いてきます。
この頼もしきトップスターが、
「芝居の月組」も、余興の伝統も受け継いでいってくれることでしょう。
そんな月城さんにもおひねりを渡したい衝動にかられています。