●猿ヶ京温泉(群馬県利根郡みなかみ町)

群馬県猿ヶ京温泉旅館共同組合の公式ホームページの中の民話『てじろざる』の内容を要約すると、「ある日、若夫婦のだんなが山で腹を空かして弱っているサルを見付け、かわいそうに思い、家に連れて帰った。そのサルは不思議なことに手首から先が白いので、若夫婦から『てじ、てじ』といってたいそうかわいがられていた。

『てじ』は少しでも恩返しがしたいと思い、毎晩若夫婦が赤ん坊をたらいに入れて湯浴みをしているのを見ていて、若夫婦が留守の時に代わりに入れてやることにした。

しかし、湯加減がわからず、熱湯の中に入れてしまい、大やけどを負わせてしまった。若夫婦にしかられた『てじ』は、寝静まった間に赤ん坊を連れて家を飛び出した。2カ月も過ぎた頃、山に入った猟師が『サルの群れの中に、赤ん坊を背負っているサルがいる』と言ったのを聞いた若夫婦が急いで山に入ってみると、『てじ』が河原の中に湧いている温泉に赤ん坊を入れており、やけどはすっかり治っていた、とある。

これが今の「猿ヶ京温泉」の始まりとされる。「猿ヶ京」の地名は上杉謙信の命名とされ、庚申(かのえさる)の年、申の月、申の日に、申年の生まれである謙信が縁起の良い夢を見たことにちなんで地名を「申ヶ今日(さるがきょう)」と改め、後に漢字が現在のものに変わった。