この記事の目次
〈症状〉「言葉につまる」から「発汗」「震え」までも
〈原因〉過去の状況を思い出すことで起こる
〈治療〉投薬が効果的。半年でほとんどが治癒 〈予防〉早寝早起きでセロトニンの分泌を

〈原因〉過去の状況を思い出すことで起こる

発症の原因は1つではありませんが、共通するパターンはあり、過去に経験した失敗など《恥ずかしい体験》がきっかけになるようです。その失敗体験時の不安や恐怖は、脳から生み出されています。不安や恐怖は生き物にとって重要な防衛本能。それがあるからこそ危険から身を守ることができるのです。

その反応を担っているのが、脳の扁桃体と海馬 。不安や恐怖の刺激を大脳新皮質や視床が扁桃体に伝えると、記憶は海馬などに長期保存され、条件づけられます。そして、同じ状況下におかれるたびに、記憶が扁桃体に送られ、扁桃体は過去の状況を思い出して不安や恐怖が甦り、呼吸や脈拍などを上げる指令を出します。

また、その興奮が大脳新皮質に伝わると過度な緊張に結びつき、自律神経に伝わることで交感神経が働いて身体的症状を生み出すことになるのです。

 

図:不安に反応する脳の部位
扁桃体は視床や大脳新皮質から不快な刺激を受け取り、不安と恐怖の感情を生み出す。扁桃体の興奮が大脳新皮質に伝わると、脳に不安や恐怖が条件づけられる