カメラやスマホのカメラの機能も進化し、「上手な」写真は誰もが撮れるようになりました。では、そのなかでプロはどのように「人の心を掴む」写真を撮っているのでしょう?
オーストラリアを中心に「地球のポートレイト」をコンセプトとして撮影してきたフォトグラファーの相原正明さん。撮影における心得を記した『光と影の処方箋』(玄光社)から、一部を抜粋する新連載。相原さんが提唱する、被写体を通して心情を表現していく「写心術」とはーー。第12回は「画面に想定外の人物が入ってきたとき」です
オーストラリアを中心に「地球のポートレイト」をコンセプトとして撮影してきたフォトグラファーの相原正明さん。撮影における心得を記した『光と影の処方箋』(玄光社)から、一部を抜粋する新連載。相原さんが提唱する、被写体を通して心情を表現していく「写心術」とはーー。第12回は「画面に想定外の人物が入ってきたとき」です
偶然の侵入者は無料のエキストラがきたと考えよう
〔 撮り方 〕
残照の時間に、太陽を追いかけるように月が下りてきた。
運が良いことに、画面を横切る雲が空に残る。その右隅に月を入れて落日のシーンの大きさを出した。
露出は月の輪郭が綺麗に出るように設定している。
そこにビーチを散歩する人が3人。最初は困ったと思ったが、カメラ位置を移動して月の真下に人物を配置することを思いついた。
これで夕暮れの大きさがより引き立ち、視線の動きもスマートになる。
人が動いて輪郭がわかりづらくならないようにISO 感度をUP して、速いシャッターが切れるようにした。
この後カメラ位置を移動して、画面に人が入らないカットも撮影している。