経営者としての夢は始まったばかり
そのころ宝塚時代の先輩の結婚式に出席した遠山さんは、今のご主人と出会う。
都内の勤め人である彼には、先輩が最初から「彼女は会社を継ぐ人だから前橋から出られない」と伝えてくれていた。スムーズに始まった遠距離恋愛。そして2008年に遠距離のまま結婚し、女の子二人の母となった。
2018年には社長に就任。体がいくつあっても足りない忙しい日々が続いている。
娘は12歳と10歳。私が宝塚にはまった年代です。今のところ、二人ともあまり宝塚には関心がないようですが、自分が家族にしてもらったように、何をやるにしても応援してあげたいと思っています。
今、夢が二つあります。ひとつは、「カリカリ梅といえば群馬」ということを、沢山の人に知ってもらうこと。実は群馬は全国第二位・東日本一の梅の名産地で、カリカリ梅に適した青梅の主要産地なんです。同業他社の県内の梅の加工業者とも協力して、群馬の梅のブランド力を向上すべくPR活動などに取り組み、産地や行政と連携しながら、「群馬の梅」を応援しています。
二つ目の夢は「KARI-KARI UME」を世界共通語にすること。SUSHIやKARAOKEのように、世界に「KARI-KARI UME」を広めたいです。
遠山さんが赤城フーズに入社して17年。「元タカラジェンヌ」ということで注目されてきたが、そろそろタカラジェンヌということではなく、会社や商品、現在の自分が注目されるようになりたいという。経営者としての成長、次のステップに進みたいということだろう。
同期もすでに誰も残っていない宝塚については「宝塚に入ってからは身内を応援する感覚でずっと舞台を観ていましたが、今は一ファンに戻って、トキメキながら舞台を観ることができるようになりました」と笑う遠山さん。第二の人生として選んだ経営者としての夢は、始まったばかりかも知れない。