産まれてきた子は低体重の早産児

早産で低体重のまま産まれた子は、3歳ぐらいまで時間をかけて、ゆっくりと発達が追いつく。

低体重の早産児なので、成長や体格などは2カ月割り引いて考えるのが通例で、そうなると実質的には生後1カ月と思ったほうがいいそうだ。

片手に収まりそうな子猿のような小動物は、なにかあるとすぐに「フンギャー」と細い声で泣き叫ぶ。哺乳瓶による授乳、オムツ替え、沐浴などはひととおり病院で教わったのだが、これが心もとない。

『56歳で初めて父に、45歳で初めて母になりました - 生死をさまよった出産とシニア子育て奮闘記』(著:中本裕己/ワニ・プラス)

コロナ禍で面会の機会が激減していたため、それこそ「1回しかやらねえから、よく見ておけよ」という、伝統工芸の親方の職人ワザを盗むように(実際にはていねいに教えていただいたが)、おぼつかない手つきで始めることになる。

自治体やコミュニティによる「パパの育児教室」のようなイベントはコロナで軒並み中止になっていた。育児アプリやYouTubeなどで、見て覚えるしかない。

心筋炎が重篤化して心不全となりながらも奇跡的に命を救われた妻は、息子よりも早く退院していたが、もちろん無理はさせられない。