電動ハイローチェアがあったほうがもっと楽だった

バウンサーという今どきのゆりかごも活躍した。傾斜のついた小さいベッドのような背もたれに寝かしつけ、ベルトで固定して手動で揺らしてあげるのだ。

これは私もときどき、あやすときに使った。泣きやまないときには、深夜早朝でもこれに乗せて揺らし続けるしかなかったが、それでも泣き続けることは多かった。

妻が言うには、「あとから思ったの。バウンサーもいいけど、電動ハイローチェアがあったほうがもっと育児が楽だったかなって。だってバウンサーはずーっと手で動かし続けないといけないんだよ。夜中じゅう泣いているときは大変だったわ」と。

電動ハイローチェアとは、いわば電動のゆりかごで、ベッドを起こすと離乳食用のイスとテーブルになるスグレものであるが、それだけに4万円程度とお高くて、手が出せなかったのである。

『56歳で初めて父に、45歳で初めて母になりました - 生死をさまよった出産とシニア子育て奮闘記』(著:中本裕己/ワニ・プラス)

「レンタルもあったのよ! あれがあったらずいぶん夜泣きが解消されたと思うの」

私がグースカ寝ている夜中や明け方に、妻の負担は限界突破ギリギリだったようなのだ。悪いことをした。

赤ちゃん用の食器一式もカタログギフトで揃えた。1つずつ選んでいる暇がないので、これも助かった。そのうちストローマグ(水筒)は2歳になった今でも、息子のお気に入りだ。

お茶を入れたストローマグと、私の泡の出るお茶(ビールとも言う)とで、「カンパーイ!」と言えるまでになって、とうちゃん涙目だ。