文化的な生活を送る習慣がない

私はプライベートで旅行に行ったことがない。
貧困家庭で育つと、「旅行」というのはあまりに縁遠く、そこにお金をかけるハードルはエベレスト並みに高い。言い過ぎか、高尾山くらい高い。

息をするように暇さえあれば遠出をし、スマートに各地のお土産を配る同僚を見ては、一緒に働いているけれど、習慣や文化は全然違うなぁと思う。
旅行だけではなく、ライブにも行ったことはないし、外食や映画なども年に数回行くかどうか。

お金の問題が一番大きいけれど、文化的な生活を送る習慣がないと、憧れはあれどなかなか挑戦できないのだ。

経済的に苦しいと、休みが取れず、体調が安定しない。そのせいで医療費が生活を圧迫し、また困窮する。こんなループを繰り返し続けている。
働いている会社では、交通費が全額支給されるには何日以上働かないといけないという規則もあるため、交通費の自腹分が発生しないよう、やはり休みはとれない。

『死にそうだけど生きてます』(著:ヒオカ/CCCメディアハウス)

2年前にシェアハウス生活を脱し、1人暮らしを始めたが、生活の質は見違えたものの、家賃は2倍になり、水道光熱費やWi-Fi代の負担が加わった上に、人生で初めて払った「更新料」も目ん玉が飛び出るような金額だった。(シェアハウスは水道光熱費や共有部の備品などは運営会社負担で、家賃も3万円代だった)

さらに電気代も高騰。物価高も生活を直撃し、低賃金で働きながら奨学金を返済する私の生活はどんどん追い込まれていった。
(なぜもっといい給料のところで働かないのかという疑問をもたれる方も多いと思うが、今の仕事は決して自分でそうしたくてしているわけではなく、様々な理由が重なってのことで、それについて説明するとあまりに長くなるので、一旦脇に置かせていただく)