お互いの大切な時間を贈りあうのを大切にしたい
孫とは、一緒にブロックで遊んだり、絵本を読んだり、この間は地図を見ながら、ワールドカップ参加国の国旗と実際の場所を教えてもらいました。
孫から「あの国はこんなところにあるのね。こんな国旗なのね」などと、教えてもらうものも多いのですが、そんなとき孫は得意そうな顔をします。そしてそんな他愛のない時間こそ、大事なプレゼントと考えています。
自分の経験を振り返ってみても、子ども時代というのは、誰かと一緒に過ごした時間をよく覚えているように思います。どこに行った、何をもらった、ということ以上に、一緒にあれをした、遊んだ、という記憶は鮮烈に残る。
たまにしか会えないからこそ、きっと一緒にいた思い出はより強くなる。娘婿の親御さんともたまにそんな話をします。
「モノより思い出」
あるコマーシャルでのキャッチコピーでしたが、まさにシニアからの贈り物とはこういうことなのかもしれません。
そんな時間が積み重なって、先々、少しでも彼の人生によい影響を与えることができたら言うことはありませんが……逆もあり得るのが、少し怖い今日この頃(笑)。
もちろん、もう少し大きくなって、「あれが欲しい」「これが欲しい」といった物欲に孫が目覚めたらどうなるかはわかりません。でもとりあえずそれまでは、お互いの大切な時間を贈りあうのを大切にしたいと思います。
『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(著:紫苑/大和書房)
71歳、ひとりシニア。子どもたちが結婚してから60代で都内に小さな中古住宅を買った紫苑さん。フリーで仕事をしていたため、年金はわずか月5万円と、お金はないけれども不安はないし、今が一番幸せ。あるものを工夫する豊かで楽しい日々をご紹介。