入試は学校からのメッセージ
大学は、「うちはこういう特徴があって、こういうふうに育ってほしいから、こういう学生に入ってほしい」ということを訴え、それに共感した人が応募して、求める基準に達しているかを判断して、入学先を決めるのが本来の姿です。
つまり、入試は学校からのメッセージなのです。
日本の大学は、「知識の量や確立している解き方をくり返すことのできる凡庸な人間を育てたい」と思っているのでしょうか。
もちろん、国公立の二次試験の試験問題に代表されるように、特徴的な問題からメッセージが読み取れる大学もありますし、近年は「アドミッション・ポリシー」として入学者の受け入れ方針を示すことも増えています。
しかし、抽象的で、どの大学も似たり寄ったりの内容なのが現状です。
もっと、「あなたは何者か」「どうなりたいか」「学んだことを社会でどう活かすか」を問いかけるような入試問題、そして高校の授業もそのようになることを願っています。
『東大よりも世界に近い学校(予)』(著:日野田直彦/TAC出版)
今や「日本で一番学校説明会に人が集まる」と言われる学校で校長を務める日野田直彦氏。定員割れで予備校が出す偏差値が「判定不能」、9年で5人も校長が交代する倒産寸前の状態からV字回復し、学校説明会には毎年のべ1万人以上もの親子が参加するように。「塾なし、海外経験なし、経済力なし」の生徒を海外大学に多数進学させ、海外の有名大学が「日野田の教え子が欲しい」とわざわざ駆けつけるほど。 そんな学校の生徒は「言わなくても勝手に勉強する」「授業にダメ出しする」さらには「学校説明会をジャック」……。いま注目すべき校長先生が日々子どもたちに伝えていること、そして子どもたちが生き抜くべき「2050年」に必要な力とは?