人に打ち明けられない不調や悩み。日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第20回は、「肺がん」です。
(取材・文/松井宏夫 医学ジャーナリスト)
この記事の目次
〈症状〉長引く咳は要注意
〈原因〉タバコを吸わない人にもリスクがある 〈治療〉手術以外に新しい治療法が 〈予防〉40歳以上は胸のCT検査を

〈症状〉長引く咳は要注意

肺がんは発生した場所によって、「肺門型(中心型)肺がん」と「肺野型(末梢型)肺がん」に分けられます。肺門型肺がんは太い気管支にでき、肺野型肺がんは肺の奥、末梢部分にできます。

そして、2つのタイプでそれぞれ症状が異なります。がんが太い気管支にできる場合は早くから症状が出やすく、主な症状は「風邪でもないのに咳が出る」「痰が出る」「ときどき血痰が出る」の3つ。

2週間以上咳が続く場合は、放っておかずに呼吸器の専門医を受診すべきです。

一方、肺の末梢部分にできる場合は、がんの大きさが3cm程度になっても症状が出ないことが多い。肺がんの30%が肺門型、70%が肺野型なので、肺がんの多くは早期には症状が表れないことをしっかり覚えておいてください。

肺がんの組織分類