一人前の「つましいお節」を頂いて気づいたこと

さて、これらの食材で作った「黒豆」「田作り」「伊達巻き」「きんぴら」「きんとん」はつましいながらもとても美味しく、ちゃんとお正月気分に浸ることができました。

しかし、これら一人前の「つましいお節」を頂いて気づいたことがあります。それは「お節って身体にいい食材ばかりなんだなあ」ということ。

私が作った一人前の”つましい”お節(写真:著者)

この年になって恥ずかしいことですが、これまでの人生において、きらびやかなお節にばかり心を惹かれていました。その一方で、お節とは少しつまめば事足りるような縁起物で、最後には飽きるもの、との認識が強かったようにも思います。

しかし、本来お節とは年神様へのお供えであり、またお正月にゆっくり過ごすための「保存食」の意味もあったはず。

お供えとしては、「黒豆」にはまめまめしく(健康)でいられるように、「田作り」はイワシを肥料にして豊作に恵まれるように、「伊達巻き」はかつての文書巻物にちなんで学問成就…といった願いが込められています。

それに加えて、普段は摂りにくい栄養素のある食材を詰め込むことで、この一年を健康、元気に過ごそうという意味もあったんですね。

たとえば豆は植物性たんぱく質、田作りはカルシウム、きんぴらや煮物は食物繊維が豊富です。私が日々実践している「安くて栄養のある食材」との共通点が多いことに今更ながら気づきました。

そして、そうか、日々このような食材を摂り神様に感謝しつつ食生活を送ると、まさに健康と元気が頂けるんだなと再認識した次第です。