就職率100%

フロリダ大学のプログラムでは、テーマパークへ就職希望の学生が世界中から集まる。

『世界のヘンな研究 世界のトンデモ学問19選』 (著:五十嵐杏南/中央公論新社)

アトラクションを設計する上で必要となる基礎的な工学知識や建築知識を学ぶためというよりは、機械工学から会計学まで、多種多様な学部を卒業して基礎知識を持った学生が、テーマパーク業界をより理解しそれぞれの専門分野をテーマパークで活かしていくために来る。

もしくはフロリダ大学の建築科の学生が修士プログラムの一環としてプラスアルファで授業を受けることもある。フロリダの他の大学でもテーマパークを専門とする修士プログラムがあり、外見のデザインを統括するアートディレクター養成に向いたプログラムがあったり、ホスピタリティや観光学の修士プログラムの一環として、テーマパーク業界の全容を学んだりすることができる。

「うちの大学のプログラムに来る学生は、ほとんどがテーマパークへの就職、特にウォルト・ディズニー・イマジニアリングで働くことを夢見て入学してきます。私が入社した頃は知名度が低くて、私自身、たまたま新聞広告を見て応募してみただけだったのですが。

今の若い人には名前がよく知られていますが、現実的に、皆が皆ウォルト・ディズニー・イマジニアリングで働けるわけではないですよね。そこで、他にも山のようにテーマパーク産業を支える企業があることを見せ、自分が最もときめきを感じる企業を見つけてもらうのも私の仕事の一つです」

とグラントさんは語る。

おかげで、今のところは就職率100%。ほとんどの学生が、ディズニーやユニバーサルをはじめ、クリエイティブ制作を担うスタジオや物資を製作する会社など、オーランドの企業に就職するという。