●過干渉の母から逃げ出したけれど……

昔から、私は母の操り人形でした。気の合う友達ができても「あの子は下品。関わっちゃダメ」、服飾系企業への就職を志望しても「お母さんの夢は小学校の教諭だった。あなたが叶えて」。反論すると、ヒステリックに怒るため面倒で、すべて従うようになってしまったのです。

自由に生きていいんだ、と知ったのは、のびのび育てられた夫と出会ってから。母は結婚に大反対でしたが、27歳のとき、家出同然で夫と暮らし始めました。

しかし結婚後、勝手に我が家の合鍵をつくって上がり込み、台所の食器や調味料を並び替え、部屋を模様替えする母。「私がいると助かるでしょ? 老後は面倒をみてよね」と言い残して帰る背中を、何度蹴飛ばそうと思ったことか……。

その母が、3年前に肺炎で入院。退院後も体調が優れないようでしたが、私は仕事を理由に一切顔を出しませんでした。ある日、父から「朝起きたら、お母さんが亡くなっていた」との電話。訃報を聞き、思いのほかひどくショックを受けて……。

母を看取らなかった自分を、今でも責めてしまうのです。(48歳・教師)

 

●義兄夫婦に義母を押しつけられて

夫と結婚して間もなく、義父の法事がありました。親戚一同が集うなか、長男である義兄が突然こう言い放ったのです。「親父は死ぬ間際に『実家は次男に継がせたい』と言っていたんだ。その遺言を守るべきだと思う」。

ほかに聞いた人は誰もいないのに、「目上の親族には従う」という古いしきたりのなかで育った夫はすんなり受け入れてしまい……。私たち夫婦が夫の実家で義母と同居するハメになりました。

義母は、小言が多い人。少しでも朝寝坊すると「いつまで寝ているの?」、たまに友達と会うため外出すれば「しょっちゅう出かけるわね」などとのたまうのです。

洗濯物を畳んでくれるのはいいけれど、私のものだけグチャグチャのまま放っておかれたこともありました。

私が義母の機嫌を損ねないようビクビクしながら生活する一方、近所に住む長男の嫁はやれ外食だ家族旅行だと自由気ままに過ごしています。義母が要介護になったら、義兄夫婦に丸投げしてやる! と思うものの、物申せない夫はやすやす引き受けてしまいそう……。(40歳・会社員)