世の中の変化とルッキズム

自分の体もですけど、ここ何年かで世の中も変わったなとは思います。若い女性としゃべってても「結婚してるの?」とかサラッと聞いてもセクハラになるし、ものすごいスピードで変わっているなと痛感します。

あと、ルッキズムというんですかね。見た目に関することも、いろいろ変わってきました。ハゲをハゲと言わない。チビをチビと言わない。そんな世の中になりました。

ただね、こんなん言うのが良いのかは分かりませんけど、僕自身はそこまで感じていないというか、あまりナーバスになっていないのが正味のところです。

これもね、いろいろ難しい部分もあるし、安易に言い切れることではないですけど、一般の生活でのことと、新喜劇の舞台でのことは違いますからね。

日常生活で本人が嫌がってるのに、身体的な特徴を繰り返し言ったりしたら、それこそパワハラなり、いじめです。ただ、僕なんかは完全にそうですけど、この世界に入ったということは自分の《人とは違うところ》を受け入れているということです。さらに、それが武器になる世界ですから僕なんかは救われました。

なので、そこを世の中と同じ《ものさし》で「アカン!」と言われるのは、僕としては正直分からんところですし、当事者としてホンマの話を言うと「こっちにまで余計なこと、せんといてぇな…」という思いもあります。これはリアルな僕の思いとして。

(撮影◎中西正男)