頼らない努力をするだけでなく、頼ったときにお返しするものを作る努力も考えてみてほしいのです(撮影◎三浦憲治)

 

第一にすべきは「後悔しないこと」

再婚を反対した子どもが代わりに面倒を見てくれるかというと、そんなことはありません。親の幸せよりも、自分が手にする相続財産を重視するような子どもが、親の面倒を見てくれると考えるのは甘いような気がします。

もちろん子どもと友好な関係を築いている人は、あえて距離を取る必要はないのですが、とにかく第一にすべきは、自分が後悔のない人生を送ることです。

子どもの言うことを聞いて、後々「こんなはずじゃなかった」ということがないようにしてください。

 

上下関係で考えるのをやめる

私は『75歳からやめて幸せになること』で、高齢者に個人主義をすすめています。高齢者は若い人たちに遠慮する必要はないですし、「迷惑をかけてはいけない」と萎縮する必要もありません。自粛であれ免許返納であれ、空気に従わなくても大丈夫です。医者からいわれたことも、間違っていると思ったら拒否すればよいのです。

その代わり、自分も偉そうに価値観を押しつけてはいけません。

年長者・先輩であることをタテに、年下の人や後輩に対して理不尽に威張ったり、無理に従わせたりするのは恥ずべきことです。

私も、一部の企業や団体が厳しい上下関係のルールで成り立っているのは知っています。また、そうした関係を好み、上下関係の厳しい組織に所属したがる人がいるのも理解はします。

それでも、上の立場にある人が理不尽に威張ることにはどうしても抵抗があります。上の人たちが大きな顔をしている組織には限界があると考えています。