「子どもの言うことを聞く」のをやめる

子を持つ人が75歳になったら、子どももそれなりの年齢になっているはず。もう子どもを甘やかしたり、逆に甘えたりする関係はやめましょう。

子どもがからむと、高齢者が幸せになれないケースがあります。

例えば、資産を持つ人が配偶者と死別し、しばらくしてから再婚しようと考えたとします。こんなとき、子どもたちは大概「そんなの財産目当てに決まっている!」と猛反対します。逆に、資産がない人が再婚しようとすると、子どもたちは「よかったね。二人で幸せに暮らしてね」と歓迎してくれます。

つまり、資産を持つ人のほうが幸せな選択ができないことになります。私はこの現象を「金持ちのパラドックス」と呼んでいます。

欧米では、こんなパラドックスに悩む人はいません。資産があってもなくても、再婚したい人は自分の意思で再婚しています。

いくら反対されても、自分の気持ちに従って再婚を断行すればよい、と私は思います。子どもは「財産目当て」と非難するかもしれませんが、仮にその通りだとしても、きちんと最期まで看取らなければ財産が再婚相手には転がり込まないわけです。

一人寂しく老後を過ごすよりも、自分と一緒に生活してくれる人がいたほうがずっといいと思うのです。