阿川 そもそも、シャンソン歌手になったきっかけは?
平野 うちの父(詩人でフランス文学者の平野威馬雄さん)の外国の友だちがシャンソンのレコード持ってきて、かけまくるの。その頃の日本の歌謡曲といえば、「愛ちゃんは太郎の~♪」、
全員 「嫁になる~チャカチャカチャン♪」(爆笑)
平野 という感じだったから、シャンソンの流れるような美しいメロディにのめり込んじゃったの。父がフランス語の発音や意味も教えてくれて、「そんなに好きだったら、ちゃんと習うかい?」と、声楽の先生のところに連れていってくれて。
阿川 いくつくらいのとき?
平野 10代。進学校が合わなくて辞めて、自由な学校に移って歌いまくりよ。
阿川 あら、「人様から与えられたことだけやってきた」って言いながら、高校は自分で決めてさっさと辞めてる。そういう勇気はあるのよね。
平野 イヤなことはやらない。好きなことは飽きないからね。
清水 私も。子どもの頃からやりたいことだけ続けてきたら、今に至るって感じ。