「気質」と「人格」がわかると人への理解が深められる
「人の性格の違いはどこから生まれてくるのでしょうか?」
この質問をすると、約9割の方々が「遺伝と環境の影響でしょう」と答えます。
歴史的に見ると1800年代には、人の性格は生まれ持つ性質や要素によって決まるとされていました。
その後心理学が確立され、後天的な環境によっても性格が育まれるという考え方が唱えられるようになります。
そして現在はどうかというと、生まれながらに持つベースの「気質」と、後天的な生育環境によって育まれる「人格」によって、人の性格が形成されると考えられるようになっています。
つまり、生まれ持ったものと環境の両方とも重要であり、両方わかるとさらに人への理解が深められるということです。
人が生まれ持つ気質は、中心の核のようなものです。そして、その周りを取り囲むように、後天的に育まれる人格の膜が後から覆われていきます。
私たちは、2歳半頃に訪れる第一反抗期(イヤイヤ期ともいわれている)という自我が芽生え始める時期に、生まれ持った気質がそのまま性格にあらわれます。
その後、年齢を重ねていくうちに、いろいろな環境で生きていくなかで、気質を取り囲む人格の膜が分厚くなっていきます。だから、人が成長していくと、本来持っている気質が見えにくくなることがあります。