山本さんいわく、性格の違いが分かれば人間関係のストレスは軽減されるそうで――(写真提供:Photo AC)
「話がかみ合わない」「人の目が気になって気をつかいすぎてしまう」「部下の育成がうまくいかない」生きていく上で誰もが抱える、パートナー、親子、上司部下との人間関係の悩みやストレス。日本コミュニケーション心理学協会マスター講師として、全国各地で講演を行っている山本千儀さんは、自身の体験や受講生の実例を踏まえ、生まれ持つ気質から読み解く人間関係とコミュニケーションを円滑に進めるための手法を伝えています。その山本さんいわく、人の性格の土台となる「気質」には「理論型」「感覚型」「行動型」の3タイプがあるそうで――。

「性格の違い」に隠された気質とは?

そもそも人間の性格はいったいどのように形成されるのでしょうか?

今は多様性の時代といわれています。皆さんも「多様性を尊重しよう」「みんな違っていい」といった言葉を見聞きすることが多いと思います。

一方で、日常生活では、周りの人との考え方や性格の違いによって、衝突したりモヤモヤしたりすることが少なくありません。

カナダ出身の精神科医エリック・バーン博士は「人間の悩みの80%は、人間関係である」という言葉を残しています。

「みんな違っていい」というけれど、では、何が違うのかを皆さんは理解しているでしょうか。その違いが、あなたにとって本当にいいことなのでしょうか。

多様性への尊重は、その中身を理解している場合に成立します。例えばLGBTQという分類があり、それぞれの違いを理解しているからこそ尊重することができます。

人の性格の多様性も、その違いの成分、属性がわかると尊重でき、わかり合えるのです。

人間関係でストレスを抱えて「上手くかみ合わないな…」「生きづらいな…」と感じるのは、他人と自分とで何が行き違っているのかがよくわからないからです。

「違い」を知れば、目の前にあるグレーに曇った雲が青くスッキリ晴れて、抱えがちなストレスも軽減されます

そこで、あなたを悩ませている性格の違いについて、少し具体的に見ていきましょう。