「考えても答えは出ません。それでも考え続けます」と話すのは、東京大学の名誉教授で解剖学者、『バカの壁』などのベストセラーを持つ85歳の養老孟司さんだ。養老先生は子供の頃から「考えること」について意識的で、一つのことについてずっと考える癖があったことで、次第に物事を考え理解する力を身につけてきたそうです。著書では脳と心の関係から、自分を自由にしてくれる養老流ものの見方、考え方を解説しています。その先生いわく、情報化社会では不愉快なことを他人のせいにする傾向が強くなるそうで――。
不愉快なことがあったら他人のせい
SNSのような情報化社会での対人関係では、人のせいにする傾向が強くなります。
そもそも都会がそうです。
田舎ならば道を歩いていて石につまずいて転んだ場合、注意が足りないと怒られる程度です。
これが東京駅だったら、こんなところに石を置いたのは誰だ、訴えてやるとなる。
都会には人の作ったものしか置いてないので、何か不愉快なことが起これば他人のせいになりやすい。
SNSではなおさらです。不愉快なことがあったら、他人の言葉のせいになる。