今日も繰り広げられる「父子(おやこ)劇場」
男の子の父が我が子の野球を見つめる目は、どう見ても子どもというより「オレの分身」。息子の成長と活躍に期待して見てるような気がしている。
おかしなくらい「俺の分身」が活躍すると嬉しさで鼻をふふーんと膨らます。
子どもが打てなかったりエラーをすると「オレの分身なはずなのにあり得ん!」と、車の運転で豹変する人のように、ちょっとガラが悪くなる人もいる。
よくグラウンドで見る風景に、練習の輪から外れたところで、父子が向き合って何やら話をしている、というものがある。みなの手前、あまり個人的に外れて叱るようなことはできないずなのだが、よほど「ココ!」というところで子どもに言って聞かせなくてはならない時…。
遠目で父子が何やら話して、そのうち父が目にも止まらぬ高速足蹴をかまし、息子はみぃ…と泣き出して、なおくいくい叱られている場面に遭遇する。
野球母たちの間ではいつしかこの様子を「父子劇場」と呼ぶようになった(私の周り限定ですが)。
やる気がなくダラダラして試合に参加していた子が、そのうち父に腕を引っ張られて隅の方に連れて行かれ、まさに父子劇場が繰り広げられる。「あー、××君ち、父子劇場始まったねー」「あー、お父さん気をつけて、手ェ出さないで~」我が家のことのように心配な母たちの視線は、その父子に注がれるのである。
我が家でさえ今でも「父子劇場」は時々繰り広げられている。
これはごく最近、練習試合の時の一コマなのだが…この写真あまりにその場の空気感そのものすぎて…。
私はきっとこの1枚であと3年は黙って泣ける気がする。
こんなに息ができなくなるような緊張を、母親の私はこれまで知らない。
こっ…わーーーーい。