いつのまにか、新年。2023。
ここ4ヵ月間は、次男・瑛介の「NPB12球団ジュニアトーナメントKONAMI杯」読売ジャイアンツジュニアメンバーとしての活動で、それはもう、無我夢中だった。大掃除も年賀状の準備もクリスマスツリーの準備も、やったかどうかさえもう覚えていない。嵐だか竜巻だかにガッツリ巻きこまれ放り出された後のように、いつのまにかいま、穏やかな年始を過ごしている。
文字通りプロ野球12球団がそれぞれ小学5、6年生から16名の選手を選出してジュニアチームを編成し、3ヵ月あまりの期間、年の瀬に行われるたった3日間の大会のために活動するのである。
7月ごろに選考が始まったのだが、正直なところほんの数ヵ月前のその時の記憶さえ、あの時の目の前がユラユラ見える暑さと熱で溶けてなくなってしまったみたい。一次、二次試験と通過するたびに、家の天井を突き破るんではないかというほど跳び上がりクルクル回って喜んだ息子。バットを振るたび発電するんじゃないかと思うほどに熱が入り…今思い出しても暑い暑い、熱いったらなかった夏のことである。
5歳上の兄の影響で野球を始めた弟。お兄ちゃんの時は一次試験で落ちたこともあり、瑛介はかなり早い時期からしっかりここに照準を合わせていた。
いつか必ず読売ジャイアンツジュニアに合格して、トーナメントに出場すること。
素振りやランニング、ストレッチなどのルーティンに加え、自分でYouTubeを見ていろんなトレーニングを探し出しては実践し、バッティングや球威をあげていく努力を惜しまなかった。シーズン中は父が留守がちなので厳しいことも言われないが、アドバイスも少ない。兄の時に比べると、よく一人で頑張ったもんだと思う。母は何にも役に立たず。
学童野球の自分のチームではキャプテンをしていたがなかなか勝ち運に恵まれなかった。このまま学童野球が終わってしまうのかと下を向きかけていた時も、瑛介のこの目標だけはいつも全くブレることはなかった。