一直線に聞き流す技を子どもは得る

そういえば夫がよく言っていたのは、むかし練習からの帰り道、やはり練習での不甲斐ない態度を叱る夫の父親が運転する車の中でのこと。

青信号で車が進んでいる時は手が塞がっているので何もないが、助手席に座らされた夫は赤信号で停車するたびに頭を叩かれていた(昔はホントにそうだったよなぁ)ので、「がんばれ信号!早く青になれ!」と心から願っていたそうだ。
いまは叩かれる子は少なくなったとはいえ、
親から言葉のゲンコツを嫌というくらい落とされる子なんていくらでもいそうだけど。

まあ、母親でも野球でないことで自分の感情に任せてダラダラダラダラ…お小言を繰り返すことはあるので、父親ばかり責めるつもりはございません。
でもある長さを超えたところから、聞いてるふりしてトンネルを潜る列車のように、ビューン、と右から左へ、一直線に聞き流す技を子どもは得るものなのかもしれない。

それにしても、楽しいはずの夕食の時間をなぎ倒してでも野球のことで叱り出す父親。
ホントに野球が大好きで、子どもの頃やっていた野球を自分の子どもとできることが幸せすぎて、どんな暑さ寒さの中でも我が子を見守る野球が楽しすぎて…。

本当に「野球少年」は大人になっても「野球少年」なんだなぁ、と思う。