慌てずに済んだのは、勉強をしていたおかげ

夫は、診断が下りた翌年に、責任が重くない仕事に変わりました。

そうしている間も少しずつ症状は進んでいったのですが、本を読んでいたおかげで、この先どういう症状が現れるかをある程度予測できたのは助かりました。たとえば夫は毎日散歩に行っていたのですが、ある日私の携帯に電話が来て、「帰り道がわからなくなった」と。

『認知症介護の話をしよう』(著:岩佐まり/日東書院本社)

でも私は、いずれそういう症状が現れると覚悟していましたから、事前のシミュレーション通りにしたんですね。「周りに何が見えるかを教えて。私が迎えに行くから動かないでね」と。私は無事夫を見つけ、それ以降の散歩は私も付き添うようにしました。

もちろん、辛いですよ。症状が進む一方で、よくはならないのは。ただ、診断のときを除いて慌てずに済んだのは、勉強をしていたおかげでした。