大津波警報発令中に海方面へと向かっていた

最後に外で命を守る「行動」について考えてみたいと思います。

当時、私は幼稚園児の娘とともに、車中で震災に遭ったわけですが、思い返せば、揺れが収まったところを見計らって、夫や両親に安否のメールをすることで精いっぱいでした。ラジオやネットから情報を得るという、いつも当たり前のようにできていることすら、頭からすっぽり抜け落ちてしまったのです。

余震が続くなかでは停電が起き、信号も止まります。あちこちひび割れた道路や建物からの落下物に気を付けながら、娘を連れて必死に家路を急いでいたからといえ、冷静な判断ができなかったことに、自分自身ショックと驚きでした。

なお、当時の自宅は海岸から5キロの所にありました。情報を入手出来ていなかった私は、大津波警報が発令されていることは知らず、むしろ海方向へ向かっていたのです。

大規模半壊をした当時のマンションの窓から、有料道路がよく見えたのですが、実は津波がそこまでものすごい勢いで押し寄せていた……という事実を知ったのも、震災から数日経った後。

なんとか家に帰宅したらしたで、今度は慌てて両親がいる避難所へ様子を見に行きました。もちろん親を心配しての行動でしたが、すでに連絡はついていたし、避難先の場所も分かっていた以上、避けるべき行動だったと、あとで猛省しました。