物件探しは、恋愛に似ている

リフォーム業者は、なるべく売りやすいよう、買い手の多いマス層を狙います。夫婦二人暮らしとか小さい子どもがいる家庭を想定して、1LDKや2LDKの間取りにリフォームします。

広さはよくても、私には使い勝手が悪い間取りになっています。私なら、「広いリビング」「狭い寝室(できれば和室)」「物置部屋(DENか納戸)」という振り分け方をしたいのですが、たいていの部屋は、私には広すぎる寝室、狭すぎるクローゼット、その代わりほどほどのリビング、となります。

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寝室と納戸の面積を減らして居間を一点豪華主義にしてほしいのに。風呂や洗面所の仕様もそうです。独りですが洗面所はゆったりしたい代わりに、シャワー派なので風呂は小さめの1216(賃貸での標準サイズ)で構いません。つまり、せっかくのリフォーム済み物件なのに、さらにリフォームをしたくなってしまうのです。

そこで思い出すのが、リフォーム業者の話です。「リフォーム済み物件を買って、こだわりのあるところだけ、自分好みに部分リフォームをする人がけっこう多いです」と言ってました。その気持ちが、いまはよーく分かります。でも、「リフォーム後リフォーム」は気が進みません。SDGsだ地球環境だという時代に、そんな無駄をしては心が痛みます。未使用の設備や壁を壊すなんてもったいなさ過ぎです。ならば、最初からリフォーム前物件を狙って購入して、間取りや仕様を自分好みに改装してもらいたい、と思うのです。

というわけで、せっかく、T氏のところで物件を購入したい、銀行を捕まえてきてくれたT氏の熱意と努力に報いたい、と思っていたのに、早くも私の心には隙間風が……。本当に、物件探しは恋愛に似ています。せっかくあれだけ熱をあげていたのに、一つ上手くいかなくなると、だだっと総崩れになっていきます。どうなるのでしょう、これから。私の物件探しは、はてさて。

※次回は、「リフォーム系不動産仲介業者にも行ってみた」をお届けします。

◆本連載が書籍化され3月8日に発売されました