老いの不安に直面して

一時はすごく落ち込んでいたんです。でも落選した瞬間から、3000円、5000円と、全国からたくさんの寄付が寄せられて。お手紙や電話、メールはもちろん、道を歩いていても「もう一度頑張ってほしい」と多くの方から声をかけていただきました。

なかでも忘れられないのが、30代の女性からいただいたお手紙です。児童養護施設で育ち、仕事もうまくいかず、DVに遭い、困難な人生を歩んでいらした方が「こんな自分の小さな声を聞いてくれる議員は辻元さんしかいない」と。感動して、しばらくそのお手紙を肌身離さず持ち歩きました。

一方で、落選すればすぐに議員会館から引き揚げなければなりません。無職となったシングルの私は大阪の実家に帰り、80代の両親と3人で暮らすことに。

そのとき両親の老いを目の当たりにし、この先自分はどうやって生きていくんだろうと、心細さを感じたんです。国会議員は国民年金しかありません。多少の蓄えも選挙で使ってしまった。無我夢中で走り続けてきたけれど、気がついたら還暦を過ぎ、老いの不安に直面している自分がいました。

そこでハタと気づいたのは、「そういう社会問題を解決するために政治があるんじゃないか!」ということです。