2023年3月12日、春場所が大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)で始まった。先場所は大関・貴景勝の優勝で千秋楽を終えたが、今場所も横綱不在。初日も波乱の幕開けに。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。

大相撲初場所 大関・貴景勝が2年ぶり3回目、結婚後初の優勝。平幕の優勝を許さず、高校の後輩の琴勝峰をすくい投げ!

関西出身の横綱誕生は100年ぶり

大相撲春場所が大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)で始まった。

先場所と同じく一横綱、一大関の場所。横綱・照ノ富士の4場所連続休場は、なんとも寂しい。テレビの前で横綱と一緒に土俵入りをして、自分の体力を確かめていたので、私は目標を失い、体はガタガタに衰える一方である。

今場所の最大の注目は、先場所優勝した大関・貴景勝の綱とりだ。貴景勝は兵庫県出身。関西出身の横綱誕生は100年ぶりになるとNHKの大相撲放送で知り、貴景勝には取りこぼしの心配があるが、今場所、一気に横綱になってほしいと願い、私は緊張してきた。

しかし、まだ初日なのに、なんということだ!

貴景勝は、「四つ相撲のような押し相撲」を究めようとしている。小結・翔猿を土俵際まで気迫で押していったが、翔猿が体を横にずらし、はたき込まれて負けてしまった。大逆転だ。翔猿には3連敗。残念すぎる。

誰が先に大関になるかという3関脇のバトルも今場所の楽しみだ。

関脇で最初に登場した霧馬山は、対戦相手の前頭2枚目・阿炎の得意技である回転する突っ張りを披露させず、押し出した。霧馬山は確実に強くなっている。

しかし、その後に登場した関脇はなんということだ!