ネットでは「テレビは終わった」といった声が見られるようになって久しく、実際、若者を中心にテレビ離れが進んでいると言われます。一方、テレビ局に27年間在籍し、数々の番組の制作現場に携わってきた鎮目博道さんは「中の人」だからこそわかる問題点を各種メディアを通じて主張してきました。その鎮目さんいわく、手間がかかっても、そのニュースにくわしい人がきちんと解説することこそ、テレビニュースの信頼回復につながるとのことで――。
気がつくと朝から晩までニュースかワイドショーだらけ
ニュース番組の基本は、当然のことですが「ニュースを伝えること」です。
なにを当たり前のことを言ってるんだ! とおっしゃる方もいると思いますが、じつは最近のニュース番組では「ニュースではないもの」を伝える時間がどんどん長くなっています。
なぜかというと、それは「ニュース番組自体がどんどん長くなっているから」です。気がつくと朝から晩までニュースかワイドショーだらけになっていますよね?
ニュース番組の時間がどんどん長くなっているから、ニュースだけでは時間が埋まらない、となっているのが現状です。
では、ニュース番組でニュース以外にどんなことを放送しているのか? というと、その代表的なものが「ニュースに対する意見や感想」です。
「コメンテーター」と呼ばれる人やゲストなどをスタジオに呼んで意見や感想などを聞けば、ニュース以外のもので時間がかなり埋まるわけです。