「Z世代」はひと口に「こんな子たち」とは言えない

あと、もう1つ「安易だな」と思うのは、「Z世代」という言葉です。

「Z世代はこういうものが好き」というような言説に引っ張られて、テレビマンたちは「Z世代にウケるように」とか「Z世代向け番組」みたいなものをつくろうとしがちですが、それってなんか意味あるの? と思ってしまいます。

『腐ったテレビに誰がした?「中の人」による検証と考察』(著:鎮目博道/光文社)

大昔から「新人類」だのなんだのと世代にレッテルを貼ることはあるわけですし、いまそういうレッテルを貼っているオッサンオバハンがそもそも「新人類だからよくわからない」と言われた世代でしょう。

そこから考えても、そういうレッテルはあまり意味をなさないと私は思います。

私は大学で教えているので「Z世代」の子たちとはちょいちょい話すわけですが、彼らはかなり個性派ぞろいなので、ひと口に「こんな子たち」とは言えませんし、好きなコンテンツもまちまちです。

ユーチューブやウェブ動画しか見ない子もいれば、けっこうテレビを見ている子もいます。さらに、ユーチューブやウェブ動画を見ると言っても、どんなものを見ているかはそれぞれの興味関心によってかなりバラバラです。