ネットでは「テレビは終わった」といった声が見られるようになって久しく、実際、若者を中心にテレビ離れが進んでいると言われます。一方、テレビ局に27年間在籍し、数々の番組の制作現場に携わってきた鎮目博道さんは「中の人」だからこそわかる問題点を各種メディアを通じて主張してきました。その鎮目さんいわく、テレビ業界が「Z世代」狙いでユーチューバーを起用しても失敗に終わったのには、明白な理由があるそうで――。
「若者を出せば、若者が見るだろう」という安易な考え
テレビ業界ではいまとにかく「テレビが斜陽産業になってしまったのはなぜだろう」ということに全員悩んでいます。なにか理由を見つけねば! なんとかせねば! です。
で、その理由をだいたいみんなこんな感じで考えて、このような流れになりました。
若者がテレビを見ないから斜陽産業になった→若者にテレビを見せよう!→若者に人気のある若者を出演させれば若者もテレビを見るだろう→とにかくお笑い第7世代とユーチューバーを出演させた番組が大量出現→そういう番組が消える(イマココ)
「若者を出せば、若者が見るだろう」という考え方は、当たっている面ももちろんあるとは思いますが、かなり安易だと思います。
お年寄りが出ていようが、面白ければ若者だってその番組を見ます。つまんない若者が出てれば、そりゃ見ません。当然です。