パ・タ・カ・ラ、パ・タ・カ・ラ

怒りのホルモンは、6秒でピークを過ぎるといわれているので、この6秒をやり過ごす技術を教えましょう。

カッとすることがあったら、「パ・タ・カ・ラ、パ・タ・カ・ラ、パ・タ・カ・ラ……」と声に出して言ってみましょう。できるだけ早口で言うと効果的です。

『60歳からの「忘れる力」』(著:鎌田實/幻冬舎)

その場に相手がいたら、ぎょっとされるかもしれませんが、逆に緊張がゆるんで笑いが起こるかもしれません。

家や職場で「パ・タ・カ・ラ、パ・タ・カ・ラ、パ・タ・カ・ラ……」とやっている人が出てきたらおもしろいですね。「怒りをコントロールしようとしているサインだ」とわかります。これは家庭や会社の空気を変えるうえで、とても役に立つはずです。

本来の「パタカラ運動」の目的は、口のフレイル(虚弱)を防ぐために、舌や口のまわり、のどの筋肉を鍛えるもの。嚥下(えんげ)機能や滑舌をよくします。

けれど、パタカラという言葉は意味がないので、怒りをやり過ごすにもぴったりなのです。マントラ(真言)みたいなものです。