福利厚生が不十分な環境で働いている可能性も

国も共働きを推奨する一方で、こうした事態を把握して制度改革や支援のための予算の割り当てを行ってきた。特に子供がいる家庭では、親が育児にまで手が回らなくなる可能性があるため、男性の育休を推奨したり、保育園の待機児童の解消に力を入れたりして、環境改善を図った。

ただし、それらが、どれだけの実質的な効果をもたらしているかについては異論のあるところだ。

企業が社員の健康や生活の質を高める取り組みは、福利厚生と呼ばれている。これがうまく機能していればいるほど、従業員は仕事やプライベートを安定した状態で過ごすことができるが、実態は理想通りにいっているとは言い難い。

図(3–4)は、大企業と中小企業の福利厚生費を比べたものだ。

図3-4:大企業と中小企業の福利厚生費比較(図:『君はなぜ、苦しいのか――人生を切り拓く、本当の社会学』より)

大企業ほど充実しており、中小企業とは差があることがわかると思う。これは、経済的理由でやむをえず中小企業で共働きしている家庭は福利厚生が不十分な環境で働いている可能性があることを示している。