「師匠は、プロレスラーは自宅に入れるのに私のことは入れない(笑)」(植野さん)

自宅にいるのは、落語家よりプロレスラー

 楽ちゃんから「おかみさん業をするように」と言われたことも、お弟子さんの真打昇進披露パーティーに出たこともないけど、お弟子さんはうちによくきていました。最初にきたのは伊集院(光)さん。掃除をしたり、朝ごはんを食べたりしていましたね。そもそもうちは、落語家よりプロレスラーが居候していることが多くて。

植野 師匠はメキシコにあるレスラー養成学校で理事を務めるくらい、プロレス好きでしたよね。

 プロレスは私たちの共通の趣味。でもファンの度合いで言えば私のほうが上だったと思う。プロレス業界で、たぶん私は有名人です(笑)。レスラーは巡業に出るので、巡業に行っては戻り、また巡業に行って……と、延べで1年くらいうちに居候する。多いときは8人くらいいて、お弟子さんもいるし、合宿所みたいでした。

植野 私が留美子さんとはじめてお会いできたのも、落語会がメキシコであったからですよね。

 そうです(笑)。だから息子の思春期と反抗期がダブった時期は、あまりにうちに人が多いので不機嫌でしたね。