長男・翔大(右から9番目)が中1の時、世界大会に行った時の写真。相手はアメリカや外国のチーム。日本チームのエースは、右から3番目、今回センバツ(第95回記念選抜高等学校野球大会)に出場し、敦賀気比戦で圧巻の14奪三振を披露した大阪桐蔭のエース、前田悠伍くん(写真提供◎大神さん 以下すべて)
2021年4月、ライザップでダイエットを成功させ、CMなどに出演した元日本テレビアナウンサーでタレントの大神いずみさん。プライベートでは読売巨人軍のコーチ、元木大介さんの妻であり、2人の球児の母でもある。ターンテーブルで回るため、苦しいダイエットをしている最中に、長男が大阪の高校で野球をやるため受験、送り出すという決断をしている。夢と希望にあふれてスタートした高校生活はコロナや怪我で思わぬブレーキがかかった。球児の母として伴走する大神さんが、この2年を振り返る。

前回「大神いずみ『お茶出しやお弁当、送迎…少年野球って、母たちの負担が大きいと思われがち。コロナ後はやり方を工夫して、野球人口を増やしたい』」はこちら

球場の空気が戻ってきた

人の「声援」が帰ってきた!

今年も球春到来。大盛り上がりのWBCにプロ野球、選抜高校野球も、声を出して応援や鳴り物の使用が解禁になり、久々に懐かしい球場の空気が戻ってきた。

そうそう、これだよ、これだったじゃん!

いざ野球の応援に歌や掛け声、吹奏楽の演奏が戻ってきた途端、ここ数年の手拍子のみの応援なんてマボロシだったんじゃないかと思うくらい、野球を楽しむすべての人達はすっとその景色と空気に馴染んでいる。

何のスポーツもしてこなかったこのワタシでさえ、だ。
コロナが拡がり始めた頃の自宅待機、野球の試合中止、無観客試合、人数制限付き観戦…
ここ数年はその都度泣いたり笑ったりして過ごしてきたような気がする。制限付きでも試合ができる!と決まった時など、子どもたちはピョンピョン跳ねて喜び、声変わりし始めた息子たちのウォー!という拳を築き上げて弾ける姿…今でも思い出すと鼻の奥がツンと痛い。

そういえば、プロ野球の無観客試合も最初は度肝を抜かれたものである。

以前から鳴り物なしで球音を楽しむ試合というイベントはあったけれど、カキーンという球音とピッチャーが投げる時の息づかい、そして両ベンチから聞こえる選手たちの掛け声だけがうわんうわんと球場に響く。お客さんがスタンドにいないプロ野球の試合というのは…静かなのではなく無音でもないが、本来ならあるべきものがそこにない、あれあれあれ?ザ・違和感?え、何これという感じ。

でも試合が見られるなら文句など言いますまいと、大盛り上がりするはずの得点チャンスで、ベンチからの「やー!」という選手たちの歓声だけを頼りに見ていた気がする。でも何度見ても客席にお客さんのいない試合を見慣れることはなかったなぁ…。

観客も球場では立派なプレーヤーなんだ、としみじみ感じたものである。