作家の吉永みち子さん(右)と、上野ヴォーカルアカデミー代表・校長の上野由紀さん(左)(撮影:藤澤靖子)
日頃気になる声の衰えを、自分で無理なく改善できるなら実践してみたいもの。今回は作家の吉永みち子さんに、「老け声改善・声の若返りレッスン」を体験してもらいました(取材・文=上田恵子 撮影=藤澤靖子)

<前編よりつづく

声の強弱を操り、自在に声を出す

次は、「声を自在に出すトレーニング」に挑戦。

「割箸を2膳、太いほうをタテにして左右の奥歯でくわえ、『アーアッ・アーアッ』『ア~ア~』と発声します。声帯まわりの筋肉を鍛えられます」(上野さん)

続いては、声の響きをよくする「音域トレーニング」だ。ティッシュペーパー4~5枚を丸めて、舌先にティッシュが軽くつくように、上下の唇でくわえる。サイレンのように「ウ~ウ~ウ~ウ~」と、ティッシュペーパーを通して外に息を吐き出すイメージで声を出す。

「ポイントは、声でらせんを描くようなイメージで高低をつけること。高音を出すときにも裏声は使いません。たとえるなら赤ちゃんの頃の『オギャー!』という発声の強さで地声を出すようなイメージです」(上野さん)

「ウ~ウ~ウ~ウ~! 口から声が出ないで、鼻から息がぬけてしまうな。どうしたもんだろう?」(吉永さん)

「鼻から息がもれる場合は、鼻を軽くつまんでやるといいですよ。そして30秒繰り返したらティッシュを外して、『アッ!』と声を出してみてください。さっきより響きませんか?」と、上野さんが確認する。指示通り吉永さんが「アッ!」と言ってみると、なるほど、お腹からハリのある声が出るように。大声ではないのに部屋中に響くのだ。


吉永さんといっしょにやってみよう!
【声を自在に出すトレーニング】

《声を自在に出すトレーニング》

<声が出やすくなる>

のどのまわりの筋肉を鍛える。割箸2膳を用意し、それぞれ太いほうをタテにして奥歯でくわえる。のどが奥まで広がり、加齢の影響で下アゴが下がるのを防ぐ。これらの筋肉が動くと声の強弱や高低を自由に操ることができる。(1)~(3)を3分ほど繰り返す。
(1)「アーアッ・アーアッ」(「ッ」のときに声を切って呼吸を止める)
(2)「ア~ア~ア~ア~」(「~」のときサイレンのように高低をつける)
(3)「ア~ア~ア~ア~ッ」


吉永さんといっしょにやってみよう!
【音域トレーニング】

《音域トレーニング》

<声の響きをよくする>

ティッシュペーパー4~5枚をくしゃくしゃに丸める。
球状のティッシュに舌先を軽く押し付けつつ、軽く唇でくわえる。
「(高く)ウ~ウ~ウ~ウ~ウ~」「(低く)ウ~ウ~ウ~ウ~ウ~」を3分ほど繰り返す